落語を見たりそのまわり

落語を見た感想などを記録していきます。

大須演芸場に行ってみる

・初めて大須演芸場に行ってみた

柳家さん喬師匠を聴けた

・真打昇進襲名披露興行に何だか感動する。

 

自分の住んでいる名古屋にある大須演芸場に行ってみることにしました。

正確に言うと、「行ってみたいけど何か行きづらいしどうしよう・・」とモタモタしながら番組表(日ごとの出演者の一覧)をネットで見ていたら、その日の出演者の中に本で見た名前を見つけたのです。

柳家さん喬

あ、この方は広瀬和生さんの本『この落語家をよろしく』で最初の方で紹介されてなかったっけ?

確か東京の寄席で毎日のようにトリを取っていると書いてあった人だ。

そしてあの(良く名前を見る)柳家喬太郎さんの師匠だよね?

この方が大須演芸場に来るのは、きっと貴重な機会なのでは?

そう思って行ってみることにしました。

 

2019年3月2日大須演芸場 第一部(11時開演)

地下鉄の大須観音駅から歩いて3分か4分くらい。大須演芸場の入り口前では法被を着たおじさんとかお兄さんがいます。入り口前にも番組表が貼ってありました。

入り口脇のテントがチケット売り場になっていてそこで一般1枚買います。「東京かわら版」も売っていたのでついでに買いました。

入り口入って1階の客席へ。100人位座れそうな1階席が良い感じで(でもぎゅうぎゅうではなく)埋まっていて60人くらいいるかな、という感じでした。

落ちついて今日のチラシを見ると、真打昇進襲名披露興行、トリは柳家花ん謝改め柳家勧之助、とあります。何人か真打昇進した人がいて、今日はこの人が出てくるのね。名前も変わったから真打昇進襲名披露なのね。と納得。

さん喬師匠は仲入り(休憩)の前。

開演時間が来て始まりました。最初に落語が二人(柳家小んぶ→林家錦平)、その後漫才(オレンジ)があってさん喬師匠の登場です。

噺が始まって「あ、この話はあらすじを知っている」と思ってうれしくなりました。

内容は寝ていた男に夢の内容を教えろ、次々に皆がせまる話。(「天狗裁き」という名前であることは後で知りましたた。)

さん喬師匠、顔をちょっと右に向けて話すとおじさん、左に向けて話すと(カミシモというらしい)おばさんに見えます。夫婦のやり取りを演じ分けているのですが、ほんの一瞬でおばさんに見えたりおじさんに見えたりするのです。本当にそう見えます。

聴いていると気持ちがすーっとするような気持ちの良い話し方でした。他の客もとても楽しそうにしていました。

中入り後、真打昇進披露口上というのがありました。

全員が並んで挨拶をします。こういうの歌舞伎でもありますね。

司会役の人がいて、えらい人(今回はさん喬師匠)が話し、全員が挨拶と何か一言言います。

 

その後三遊亭吉窓さんの落語と踊りがありました。確か舞妓さんの一日というもので音楽に合わせたパントマイムみたいで面白かったです。太神楽(翁家勝丸さん)はひたすらすごい!と思いました。

トリが真打昇進の柳家勧之助さん。役者の出世話の噺(これも「中村仲蔵」という噺だと後で知ります)。一生懸命語っていて、気合が感じられました。

終幕後幕が下りた舞台の中から三本締めが聞こえてきたので、それに合わせて帰りがけの観客が皆拍手をしました。いい場面でした。

 全部見終わった後、何だか感動してしまいました・・・。

 

周りにいた(話していた内容からすると)友達に誘われて初めて来た女性が「夢の話とかオチが想像つくんだけどすごく面白い」と言っていました。別の年配の女性は勧之助さん一生懸命で良かったと話していました。

外にでると勧之助さんが出て行く人に挨拶をするために裏から回って出ていた。ちょっと所在なさそうに、照れているように見えました。

観客が皆にこにこしながら出て行ったのが印象的でした。